誤解されている口臭予防方法
よくＣＭなどで，洗口液で口をすすげばすっかり口臭がなくなるような宣伝をしていますが，うがい程度でしつこい口臭の原因はなくなりません。まわりに分かるぐらいのニオイが発生しているということは，菌性の歯垢が相当たまっている可能性を表わしています。そのため根本的な対策が必要です。水分や栄養分の豊富な口腔内の歯垢は，物理的に取り除かないと取りきれません。特に入れ歯やブリッジ，その他人工のものが口腔内にあると，ニオイの発生源が付きやすく，毎日の手入れがどうしても必要です。
口臭の原因となりやすい特定部位
口臭は口腔内にある歯垢が発生源の場合が多いため，それを取り除いてあげることで口臭をかなりの程度改善できます。まず歯垢が沈着しやすい場所は奥歯の内側の根元で，特に上の歯の内側です。臼歯と歯肉の間はＵ字の形をしていますが，そこは歯ブラシが当たりずらいため，たっぷり歯垢が付きがちになるのです。毎日力まかせに歯を磨いていても，歯の外側や見えやすい部分だけで磨いていては，口臭は除去できません。
実際の口臭予防方法
ここからが予防法の本題ですが，一般家庭でもすぐに試せる方法があります。準備するものは普通の歯ブラシ，コップ，リステリンなどの液体洗口剤，そして電動歯ブラシです。電動歯ブラシは持っていない方が多いかもしれませんが，ドラッグストアなどで２千円ぐらいで買うことができます。ここで費用をケチッてはいけません。徹底的な口臭防止に多少の投資は必要です。
次に，具体的な方法ですが，液体洗口剤の原液をコップに入れ，歯ブラシで簡単に口の中をすすぎます。歯に洗口液をなじませる感じでまんべんなく軽く磨きます。洗口液が歯になじんだところで，電動歯ブラシで徹底的に磨いていきます。時々電動歯ブラシの先を洗口液に付けながら磨くとよいでしょう。
できるだけ鏡を見て，歯の内側にブラシが当たるように磨きます。また奥歯の外側や内側も歯ブラシでは磨きにくいところですが，小さくて丸い電動歯ブラシの先ならブラッシングすることが出来ます。歯と歯ぐきの間を重点的に磨いてください。ここが歯垢が一番たまりやすい場所です。
普段の歯磨きと違う部分も磨くため，人によっては歯ぐきから多少出血がある場合があります。これはほとんど刺激を受けていなかったために生じる現象ですので，毎日していると次第に止まります。ブラッシング程度で出血するということは，歯垢が大事に保護されていたという嬉しくないことですので，あまり気にすることはありません。
上の歯を３分，下の歯を３分ずつ，間隔をおいて２回ほどやってみてください。洗口液をたっぷりつけて磨くというのがポイントです。洗口液はうがいでも多少歯垢が落ちるように開発されていますので，それで物理的にブラッシングすればほとんどの歯垢は落ちます。またこの方法を実践していくと，歯肉炎や歯周病，歯槽膿漏の予防にも効果があります。
口臭その他のケア
上記の方法を初めて試すと口の中がとてもスッキリし，歯がツルツルになります。電動歯ブラシでかなりの程度磨くことができますが，歯間ブラシなどを併用すると完璧でしょう。糸状のデンタルフロスを使うとさらにきれいになります。歯間のプラークはわずかでもニオイの元になりますので，除去しましょう。またナイトケア用のデンタルリンスもありますので，寝る前に口の中をかるくすすいでおくと，夜間に歯垢が付きにくくなります。
胃の中が原因の場合は，ストレスをためないようにし，偏食を避け，消化の良いものを食べるようにしましょう。胃腸の具合がずっと悪い場合は専門家にみてもらうことをお勧めします。一時的な対処法としては，空腹時に低脂肪牛乳を飲むとニオイが取れます。あくまで一時的なものです。
口臭の根本解決を目指して
最近の口臭予防グッズはニオイを香りでごまかすというタイプが増えています。時間がないときに，口腔スプレーやミントタブレットは効果がありますが，あくまで一時的なものでしかありません。あなたに口臭があってもなくても歯垢は食べ物を食べる限り必ず付きます。それをマメに取るかどうかはあなた次第です。ぜひ歯垢を取り除き，自信を持って他の人と会話できるように努力しましょう。さわやかなお口にすることは誰でも可能です。